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( ほんとの勉強 )


3、テレビの本当の怖さ

 「授業中は手を上げなさい」 といわれます。でも、そもそも 手を上げなければ発言できない多人数授業は勉強とは言えません。
 勉強は、読書や討論のように 言語によって 自分や相手の頭の中に絶えずイメージを創り続ける内面的な作業。昔の内容が充実していたのは 参考書での勉強 (すなわち読書) やゼミ (すなわち対話・討論授業) があたりまえだったからです。今の教科書が絵本になってゆくのは、言語をはなれ 画面から直接イメージが飛び込んでくる 便利で分かりやすい消費材の一つになってしまったからです。

 ラジオが 言葉を受けて頭の中でイメージを創り続ける問題集の一つだとすれば、テレビは 造られたイメージが飛び込んでくる解答集。問題集なしに はじめから大型画面の解答集に呑み込まれて育っているのがほとんどの子供の状況です。画面の (番組の) 動きが止まると 薬が切れたように頭の動きも止まってしまうところは麻薬と同じ。カメラや番組が標的を追ってくれるので、目や耳の 本来の 「追う」 機能が退化し、追求心が育ちません。

 教室に 機械 (特に大型画面) を持ち込むのは考えもの。多くの場合、その本質は教える側の 「省力化」。教える側も教えられる側も 「分かりやすさ」 の落とし穴にひっかかってしまいます。


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