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《 ぜんりんしゃ カレント コラム 》


古い参考書 (1)


 本棚の古い参考書を整理していて、昔 授業で使っていた文英堂さんの「Uターン式 理科実力問題集」というのを見つけた。
 《力(ちから)》の単元。 中学1年生では 最初から「力の平行四辺形」を作って解く計算問題が出てくるし(今は中3の後半!)、水中での圧力やボイルの法則の計算問題などが 当たり前のように出てくる。 2年生の《光》では「照度は距離の2乗に反比例する」などと出てくる。(oh! 何とこれは「内部被曝」の怖さの原理。)3年生では 加速度を求める問題さえ頻繁に出てくる。みな 当時は熱中して解いた応用問題だ。現在 かなり上位の生徒でも、歯が立たない問題が沢山あるだろう。ここまで変わったかと 目頭が熱くなる程だ。

 もちろん難しいのが良いということではない。cal(カロリー)や g重(グラムじゅう)などの単位が使えなくなるにつれ、生活に密着した身近なテーマを考えることが極端に減ってしまった。例えば「体重50kg重」が「体重500ニュートン」になり、「大気圧1kg重/平方センチ」が「大気圧1000ヘクトパスカル」になるにつれ、現実感が無くなり ただ面倒くさくなっただけだ。
 かつては みんなが熱中した果てに行き着く (身近な灯油ポンプなどの)「サイフォンの原理」など、今はまったく(!)歯が立たない。先程の《光》でも、かつては凸レンズも、凹レンズも、凸面鏡も、 凹面鏡も みなしっかり作図して勉強した。それで、スライドのプロジェクターも、近視のメガネも、車のバックミラーも、鏡台の手鏡も、 (どうして大きく見えるのか・小さく見えるのか) どんどん考えることが出来た。今は 凸レンズだけ。「おじいちゃんの老眼鏡は凸レンズだ」さえも分からないかも知れない。

 こんなうわべだけの勉強では面白い訳がない。中身を濃くすれば面白くなるのに、逆に中身を減らして その分 面倒な設問で取り繕っているだけ。 電柱のトランスなども・・・・
 詳しく紹介したら 驚きの連続になるので 今回はこれで終わり。


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