「天体」 の授業から帰ったら、思わず夜空を見上げて オリオンの三つ星の 「赤道」 と、ふたごの二つ星の 「黄道」 と、その二つの広大な傾きに のけぞるように立っている自分の位置に 心を打たれ、

　「気象」 の授業から帰ったら、思わず 連なる寒冷前線の層積雲の向こうから迫り来る 冬の気団を感じて たじろぐ、

そんな 中身の濃い･内容の深い･現実的な知識に直面して 触発されなければ、子供の本当の勉強がスタートすることなどないでしょう。

　大枚の教育予算を負担させられ、さらに高額の教育費を費やし、その結果 プリントを解いて ままごとのような点数を貰っても、−−− 夜空の星を見ても 何も分からず、夕暮れの雲を見ても何も分からず−−−。　そんな 「おべんきょう」 からは 追究心が芽生えることもありません。 現実との接点を学ぶ理科においてすら、多くは こんな有様です。

　教育費という名の高額な安心料を 「子供の活動費（研究費）」 に変えてゆく 裏方の努力。子供を 中身の濃い参考書や 内容の深い授業に 出会わせる 裏方の努力。　これが ご父母の役目です。